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東京地方裁判所 平成8年(ワ)6620号 判決

原告

佐藤順子

外二名

右三名訴訟代理人弁護士

羽成守

同訴訟復代理人弁護士

菅谷公彦

被告

富士火災海上保険株式会社

代表者代表取締役

白井淳二

訴訟代理人弁護士

江口保夫

山岡宏敏

主文

一  原告らの請求をいずれも棄却する。

二  訴訟費用は原告らの負担とする。

事実及び理由

第一  請求

被告は、原告らに対し、原告らの荒田優美夫に対する判決が確定したときは、原告佐藤順子に対し金三四一一万一三〇九円、原告佐藤絵里加及び原告佐藤裕二に対し各金一七〇五万五六五五円及びこれらに対する平成七年五月二三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要

本件は、信号機による交通整理の行われている交差点を、青信号に従って直進した自動二輪車と、対向して走行してきて右折しようとした自動車(これが、保険約款上の他車運転危険担保特約二条本文の「自家用小型貨物車」にあたるか否かは争いがある。)が衝突し、自動二輪車の運転者が死亡した交通事故について、その相続人らが、相手方の自動車の運転者が自ら保有する別の自動車について加入していた任意保険の保険会社に対し、保険約款上の他車運転危険担保特約に基づき、損害賠償額の支払を求めた事案である。

一  前提となる事実(証拠を掲げた事実以外は争いがない。)

1  次の交通事故(以下「本件事故」という。)が発生した。

(一) 発生日時 平成七年五月二三日午前八時ころ

(二) 事故現場 神奈川県横浜市磯子区洋光台六丁目三番七号先市道

(三) 事故車両 佐藤孝志が運転していた自動二輪車(○横浜ほ××××、以下「佐藤車両」という。)と、荒田正美が保有(使用)し、荒田優美夫が運転していた自動車(横浜○○は△△△△、以下「本件車両」という。)

(四) 事故態様 事故現場である信号機による交通整理が行われている交差点(以下「本件交差点」という。)を、青信号に従って直進した佐藤車両と、対向してきて右折しようとした本件車両が衝突した。これにより、佐藤孝志は、頸髄損傷及び頸椎脱臼骨折の負傷を負い、平成七年五月二四日午前零時三二分に死亡した(甲三)。

2  被告は、平成六年一〇月一九日、荒田優美夫との間で、次の内容の自動車総合保険契約(PAP、以下「本件保険契約」という。)を締結した。

(一) 被保険自動車 荒田優美夫が所有する自家用小型乗用車(横浜○○せ××××)

(二) 被保険者 荒田優美夫

(三) 保険期間   平成六年一〇月二五日から一年間

(四) 保険金額

対人賠償一名につき無制限

対物賠償一事故につき二〇〇〇万円

3  本件保険契約の保険約款には、次の条項が定められている(乙一、一〇)。

(一) 損害賠償請求権者の直接請求権・対人賠償(第一章賠償責任条項第六条)

(1) 対人事故によって被保険者の負担する法律上の損害賠償責任が発生したときは、損害賠償請求権者は、当会社が被保険者に対しててん補責任を負う限度において、当会社に対して、被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額から、自賠責保険等によって支払われる金額及び被保険者が損害賠償請求権者に対してすでに支払った損害賠償金の額を差し引いた額の支払を請求することができる。

(2) 被保険者が損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額について、被保険者と損害賠償請求権者との間で判決が確定したとき、または、裁判上の和解もしくは調停が成立したときは、損害賠償請求権者に対して損害賠償額を支払う。

(二) 他車運転危険担保特約

第一条(この特約の適用条件)

(1) この特約は、保険証券記載の自動車(以下「被保険自動車」という。)の用途及び車種が、自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車、自家用小型貨物車又は自家用軽四輪貨物車であって、かつ、その所有者及び普通保険約款賠償責任条項の記名被保険者(以下「記名被保険者」という。)が個人である場合に適用される。

(2) 前項の所有者とは次の者をいう。

① 被保険自動車が所有権留保条項付売買契約により売買されているときは、その買主

② 被保険自動車が一年以上を期間とする貸借契約により貸借されているときは、その借主

③ ①及び②以外のときは、被保険自動車を所有する者

第二条(他の自動車の定義)

この特約において、他の自動車とは、記名被保険者、その配偶者または記名被保険者の同居の親族が所有する自動車(所有権留保条項付売買契約により購入した自動車及び一年以上を期間とする貸借契約により借入れた自動車を含む。)以外の自動車であって、その用途及び車種が自家用普通乗用車、自家用小型乗用車、自家用軽四輪乗用車、自家用小型貨物車または自家用軽四輪貨物車であるものをいう。ただし、記名被保険者、その配偶者または記名被保険者の同居の親族が常時使用する自動車を除く。

第三条(この特約によるてん補責任―賠償責任)

(1) 被告は、記名被保険者、その配偶者または記名被保険者の同居の親族が、自ら運転者として運転中(この特約では、駐車または停車中を除く。)の他の自動車を被保険自動車とみなして、被保険自動車の保険契約の条件に従い、普通保険約款賠償責任条項(被保険自動車について適用される他の特約を含む。)を適用する。ただし、この場合における被保険者は、記名被保険者、その配偶者及び記名被保険者の同居の親族に限る。

(2) 被告は、この特約により、普通保険約款賠償責任条項第一条(被告のてん補責任―対人賠償)第二項の規定にかかわらず、他の自動車について生じた一回の対人事故による同条第一項の損害について、自動車損害賠償保障法に基づく責任保険または責任共済によって支払われる金額がある場合は、損害の額が自賠責保険等によって支払われる金額を超過するときにかぎり、その超過額のみをてん補する。

4  佐藤孝志が死亡した当時、原告佐藤順子はその妻であり、原告佐藤絵里加、原告佐藤裕二の二人は、佐藤孝志の子であったもので、他に相続人はいなかった(甲五)。

二  争点

1  荒田優美夫の責任原因

(一) 原告らの主張

荒田優美夫は、佐藤車両の動静を確認しないまま本件交差点を右折しようとして、佐藤車両の進路を塞いだ。その結果、佐藤車両前部が本件車両の左後部に衝突した。

荒田優美夫は、本件車両を運転し、その運行の用に供していたもので、本件交差点を右折するにあたっては、直進車の動静を確認してその進行を妨げないように進行する注意義務があるのに、これを怠り、本件事故を発生させた過失があるから、自賠法三条、民法七〇九条に基づく、佐藤孝志に生じた損害を賠償する責任がある。

(二) 被告の反論

争う。

2  本件車両は、保険約款の他車運転危険担保特約にいう「自家用小型貨物車」に該当するか。

(一) 原告らの主張

自動車検査証によれば、本件車両の「自動車の種別」は「小型」、「用途」は「貨物」となっており、本件車両は、他車運転危険担保特約二条本文にいう「用途及び車種」が「自家用小型貨物車」にあたる。したがって、他車運転危険担保特約の適用がある。

本件車両にはダンプ装置があり、被告の自動車保険取扱規定集によれば、保険約款上の「用途及び車種」による「自家用小型貨物車」という区分から、ダンプ装置のある小型貨物車は除かれているが、これは、対外的に契約内容として拘束力を持つものではない。被告が作成する「ご契約のしおり」においても、「小型貨物車」と「小型ダンプカー」が掲げられて、特に適用除外を規定していない。右の自動車保険取扱規定集においても、「用途及び車種」としては、「自家用小型貨物車」と「自家用小型ダンプカー」という区分がなされているのみで、区分された「自家用小型貨物車」に適用除外を規定しているにすぎず(この適用除外が対外的に効力を持たないことは右のとおりである。)、ダンプ装置付きか否かは「用途及び車種」の区分には関係がない。

(二) 被告の反論

保険約款における「用途」とは、自家用・営業用(事業用)の自動車の使用形態の区別を意味し、「車種」とは、普通乗用車、小型乗用車、小型貨物車、小型ダンプカー、バスなどの自動車の種類の区別を意味する。このように保険約款上の「用途及び車種」は、自動車検査証の「用途」及び「自動車の種別」と同義ではない。保険約款、ご契約のしおり、自動車保険取扱規定集のいずれにおいても、ダンプ装置の有無によって、ダンプカーと貨物車を区別しており、ダンプ装置を有する本件車両は、保険約款上の「(自家用)小型ダンプカー」に該当し、「自家用小型貨物車」にはあたらない。

したがって、他車運転危険担保特約の適用はない。

3  本件車両は、荒田優美夫が「常時使用する」自動車といえるか。

(一) 被告の主張

本件車両の使用者は、荒田優美夫の弟である荒田正美であるが、荒田優美夫は、荒田正美の仕事を手伝うときがあり、その際に本件車両をしばしば運転していた。事故当時は、仕事のない日曜日を除いてほとんど毎日のように本件車両を運転して砂利や材木などを運んでいたなど、荒田優美夫は、本件車両を常時使用していた。

したがって、仮に、本件車両が、他車運転危険担保特約二条本文の「自家用小型貨物車」にあたるとしても、この特約に基づく賠償責任を負わない。

(二) 原告らの反論

荒田優美夫は、塗装を業とする荒田塗装店を、荒田正美は、建築の外構工事を業とする荒田総業をそれぞれ経営し、仕事の繁忙期には相互に手伝いをしたが、互いの自動車を自由に使用し合う関係にはなかった。荒田優美夫は、本件車両を運転することはほとんどなかったが、事故当日は、荒田正美の体調が悪かったので、特別に運転を代わったにすぎない。したがって、荒田優美夫が、本件車両を常時使用していたとはいえない。

4  佐藤孝志の過失相殺

(一) 被告の主張

佐藤車両の走行道路は二車線で右折レーンが設置されていないのに対し、本件車両の走行道路は右折レーンが設置されて三車線になっており、制限速度はいずれも時速五〇キロメートルであった。事故当時、佐藤車両の走行道路の追越車線上には、右折待ちの車両が貨物車を先頭に三台停車しており、佐藤車両は走行車線を先頭で走行してきた。他方、本件車両の走行道路においては、右折レーンの先頭に本件車両が対向車両が途切れる間待機していた。したがって、佐藤孝志は、制限速度を遵守することはもちろん、前方を十分注視し、追越車線に停車している車両の前方の対向車線の右折レーンに待機している車両の有無及び動向に留意し、自車の存在をアピールすべく、ライトを点灯したり、左側端を走行したりして、適切なハンドル・ブレーキ操作を行うことができる態勢で進行すべき注意義務がある。ところが、佐藤孝志は、これを怠り、前方を十分注視することなく、制限速度をはるかに超過した速度で進行して本件事故を発生させた過失がある。

したがって、仮に、荒田優美夫に過失があり、損害賠償義務を負担するとしても、過失相殺がなされるべきである。

(二) 原告らの反論

佐藤孝志の走行道路の追越車線上に停車していた車両が存在し、対向車線が見えにくい状況であったからこそ、荒田優美夫は、対向直進車の存在の有無を特に注意すべきであった。ところが、荒田優美夫は、本件車両を漫然と進行させ、対向車両の存在を十分確認しなかった。佐藤孝志は、制限速度を超過する速度で走行しておらず、かつ、まったく不意に本件車両が前方を塞ぐ形で進入してきたのであるから、事故の予見及び回避はまったく不可能であった。

したがって、佐藤孝志に過失はない。

5  佐藤孝志の損害

(一) 原告らの主張

(1) 治療費 二九万八三三六円

(2) 入院雑費等 三万三〇四〇円

(3) 葬儀費用 一二〇万〇〇〇〇円

(4) 休業損害 三万二九〇六円

(5) 逸失利益 六四九六万七七一三円

(6) 慰謝料 二六〇二万二〇〇〇円

(7) 損害のてん補

合計三〇三三万一三七六円

荒田優美夫から 二九万八三三六円

自賠責保険から

三〇〇三万三〇四〇円

(8) 弁護士費用六〇〇万〇〇〇〇円

(二) 被告の反論

いずれも争う。

第三  争点に対する判断

一  本件車両は、保険約款の他車運転危険担保特約にいう「自家用小型貨物車」に該当するか(争点2)。

1  便宜、争点2から判断する。

証拠(甲二、乙一、二、五、六、一〇)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められる。

(一) 本件車両の自動車検査証において、「自動車の種別」欄には、「小型」、「用途」欄には「貨物」、「自家用・事業用の別/適否」欄には「自家用」、「車体の型式」欄には「ダンプ」の記載がある。

(二) 被告は、保険契約締結の際、契約者に対し、「ご契約のしおり」という小冊子を交付する。これには、自動車総合保険の保険約款を含めた契約に重要な事柄が記載され、「約款用語のご説明」として各用語の説明が記載されている。そして、そのうち「用途・車種」(車両条項第五条、一般条項第四条第一項第一号・第六条第一項、他車運転危険担保特約第一条第一項・第二条、被保険自動車の入替における自動車担保特約第一条第一項等)欄には、「用途とは、自家用、営業用(事業用)の自動車の使用形態の区別を意味し、車種とは、普通乗用車、小型乗用車、小型貨物車、小型ダンプカー、バスなどの自動車の種類の区別を意味します。なお、用途・車種の区分は、原則として登録番号標または車両番号標の分類番号及び塗色に基づき弊社が定める区分によるものとなります。」との記載がある。

(三) 被告の自動車保険取扱規定集には、登録番号表の分類番号及び塗色に基づき、用途及び車種を分類した区分表が記載されている。それによれば、ダンプ装置(荷台を押し上げ、後方または側方へ傾ける装置)のある四輪以上の自動車は、普通自動車であるか小型自動車であるかによって、それぞれ普通型ダンプカー、小型ダンプカーとして区分され、自家用であるか営業用であるかによって、用途及び車種には、自家用普通型ダンプカー、営業用普通型ダンプカー、自家用小型ダンプカー及び営業用小型ダンプカーの四区分を設けている。その結果、保険約款上の自家用普通貨物車及び営業用普通貨物車からは、ダンプ装置のある普通貨物車を、自家用小型貨物車及び営業用小型貨物車からは、ダンプ装置のある小型貨物車を除く扱いになっている。そして、自動車保険料率は、この区分によって定められていた。

この自動車保険取扱規定集は、損害保険会社内部の規定集であって公刊されておらず、入手できる者は損害保険会社の従業員や損害保険代理店など一部の者に限定されている。

(四) 本件保険契約の保険約款には、自動車を新たに取得したときは、それが、従来の自動車と同一の用途及び車種である場合(ただし、同一の用途及び車種とみなして入れ替えができる場合も含むとされている。)、被保険自動車の入れ替えを認める条項があり(一般条項)、同一の用途及び車種とみなして被保険自動車の入替ができる用途・車種区分表が掲げられている。この区分表には、自家用小型貨物車とは別に、小型ダンプカーが掲げられており、この双方は入れ替えができないとされている。

2  前提となる事実及び右の認定事実を前提に判断するに、本件事故当時、損害保険会社内部の取扱において、ダンプ装置がある車両は、保険約款上の「用途及び車種」としては、ダンプカーとして区分され、貨物車から除外されていることは明らかであるが、保険約款上、このことを具体的に規定した条項があると認めるに足りる証拠はない。また、自動車保険取扱規定集には、この区分が明確に記載されているものの、これは契約の相手方に交付されないから、この区分が契約の相手方に開示されているとはいえない。しかし、自動車を新たに取得した場合に、被保険自動車の入れ替えができる場合に関する条項の別表には、「用途及び車種」の区分として、自家用小型貨物車と、小型ダンプカーが別に区分されていることが示されている。ダンプカーの意義は明確にされていないが、ダンプ装置のある自動車と理解するのが自然であるから、別表を含めた保険約款の規定自体から、ダンプ装置のある自動車が貨物車とは別に区分されていることを知ることはできる。そして、契約者に対して交付される「ご契約のしおり」には、他車運転危険担保特約と、被保険自動車の入れ替えができる場合に共通する用語としての「用途及び車種」の説明が記載されており、「車種」として、小型貨物車と小型ダンプカーが並列的に記載されているから、これによっても、ダンプ装置のある小型貨物車は小型ダンプカーとして、小型貨物車とは別に区分されていることを知ることができる。

ところで、他車運転危険担保特約二条にいう「用途及び車種」は、自動車検査証における「用途」及び「自動車の種別」に類似している。しかし、当然に同義と解すべき理由はないし、他車運転危険担保特約二条に掲げられた各自動車が、いずれも「自家用」とされていることからすると、ここでいう「用途及び車種」は、自動車検査証における「自家用・事業用の別/適否」という区別を含むといえるから、文言上からも、自動車検査証における「用途」及び「自動車の種別」とまったく同義として用いられているわけではない。そして、契約者に対して交付される「ご契約のしおり」には、約款用語の説明として、「用途及び車種」に関し、用途とは、自家用、営業用(事業用)の自動車の使用形態の区別を意味し、車種とは、普通乗用車、小型乗用車、小型貨物車、小型ダンプカー、バスなどの自動車の種類の区別を意味するとされている。これによれば、保険約款上の「用途」は、自動車検査証上の「自家用・事業用の別/適否」に類似した意義で用いられ、「車種」は、自動車検査証の「自動車の種別」、「用途」、「車体の形状」を総合したものと類似した意義で用いられているということができ、これは、契約者に開示されているといえる。

以上によれば、他車運転危険担保特約二条にいう「用途及び車種」は、自動車検査証の「用途」及び「自動車の種別」と一致するものではなく、そこにおいて、貨物車とダンプカーは別に区分されていることは契約者に開示されているということができる。そして、本件車両の「用途」は自家用であり、「車種」の要素としては、小型、貨物、ダンプ装置付きとの要素を揚げることができるから、保険約款上の「用途及び車種」としては、「(自家用)小型ダンプカー」に区分され、他車運転危険担保特約二条本文にいう「自家用小型貨物車」に該当するとはいえないというべきである。

なお、原告らは、自動車保険取扱規定集にあるように、損害保険業界においては、「ダンプ装置のある自家用小型貨物車」と「小型ダンプカー」とが分類概念としてそれぞれ別に存在するとした上で、本件車両は、「ダンプ装置のある自家用小型貨物車」であり、ダンプ装置付きのものが「自家用小型貨物車」から除外されることが契約者に開示されていないから、結局、本件車両は、他車運転危険担保特約にいう「自家用小型貨物車」にあたると主張する。しかし、すでに述べたように、貨物車からダンプ装置のあるものが除外されているのは、別に設けたダンプカーという区分に含まれるためと解するのが合理的であり、「ダンプ装置のある自家用小型貨物車」は、「小型ダンプカー」に含まれ、「自家用小型貨物車」は、ダンプ装置のない自家用小型貨物車を指すというべきである。そして、これは契約者に開示されているというべきであり、契約者を拘束するというべきであるから、原告らの主張は理由がない。

二  以上によれば、その余の争点を判断するまでもなく、原告らの請求は理由がない。

(裁判官山崎秀尚)

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